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マブヤー・バスケット《1》
《旧盆特別企画第二弾》
マブヤー・バスケット
作/ポチ☆新一
『ねえ、昭夫さん、これなんかどう?』
『う~ん色が派手過ぎないかなぁ?』
『大丈夫よ、体に当ててみて。ほら、似合うじゃない』
ここは那覇市内のデパートにある衣料品売り場。
明日僕が着ていく服を選んでいる。
『じゃ、これに決まりね』
僕と違って彼女の方は決断が早い。
明日の食事会も彼女一人でお膳立てをしてくれたんだ。
『美香のお父さんって、どんな人なんだろ?
僕もう今から緊張しちゃってるよ...』
『今更なによ~。大丈夫!
パパにはちゃんと言ってあるんだし、怖い人じゃないから。』
『う、うん。』
買い物を済ませてモノレールの駅まで歩いている途中の出来事だ。
『危ない!』
僕の頭上に二階の工事現場から
ガコォ~ン!
カラカラ....
鉄パイプが降ってきた。
『キャーっ!昭夫さん!』
『......』
『何か言って..大丈夫なの?』
『ワン!』
『昭夫さ....』
『ワンワン、キューン』
『美香...こっちこっち....』
『ヒッ!柴イヌ!』
美香は僕と柴イヌを交互に見比べて、ようやく状況を飲み込んだらしい。
『今救急車の手配を!』
作業員が慌てて2~3名降りてきた。
マブヤー・バスケット
作/ポチ☆新一
『ねえ、昭夫さん、これなんかどう?』
『う~ん色が派手過ぎないかなぁ?』
『大丈夫よ、体に当ててみて。ほら、似合うじゃない』
ここは那覇市内のデパートにある衣料品売り場。
明日僕が着ていく服を選んでいる。
『じゃ、これに決まりね』
僕と違って彼女の方は決断が早い。
明日の食事会も彼女一人でお膳立てをしてくれたんだ。
『美香のお父さんって、どんな人なんだろ?
僕もう今から緊張しちゃってるよ...』
『今更なによ~。大丈夫!
パパにはちゃんと言ってあるんだし、怖い人じゃないから。』
『う、うん。』
買い物を済ませてモノレールの駅まで歩いている途中の出来事だ。
『危ない!』
僕の頭上に二階の工事現場から
ガコォ~ン!
カラカラ....
鉄パイプが降ってきた。
『キャーっ!昭夫さん!』
『......』
『何か言って..大丈夫なの?』
『ワン!』
『昭夫さ....』
『ワンワン、キューン』
『美香...こっちこっち....』
『ヒッ!柴イヌ!』
美香は僕と柴イヌを交互に見比べて、ようやく状況を飲み込んだらしい。
『今救急車の手配を!』
作業員が慌てて2~3名降りてきた。
『だっ!大丈夫です!』
美香は、イヌになった僕の体を捕まえて一目散に走って逃げた。
『ガルルッ!』
『イテテっ、こらッ噛むな!このやろ!』
ビシッ!バシッ!
『み...美香....。』
僕も二人(?)の後を追って走った。
『昭夫さん!二足歩行禁止!ちゃんと四つ足で走って!
あんたはちゃんと2本の足で走りなさい!』
『ワンワン!』
道行く人はあっけにとられて僕らを眺めていた。
『一体どういうこと?』
あまり人目につかない小さな公園で三人は話し合った。
イヌも賢いみたいで、状況を理解しているようだ。
『さっき頭を打った時、
僕のマブイが外に飛び出して、それをこの犬が食べちゃたみたいなんだよ』
『どうすんのよ、も~。』
『ユタのおばぁの所に行ってみよう』
『急ぎましょう。』
僕んちの近所の、有名なユタのおばぁに、事情を説明した。
『早速マブイ込みしようね~』
イヌになった僕と、
僕になったイヌは、
おばぁの前に座り、目を閉じた。
おばぁは両手を合わせ、時折どこかの宗教の巡礼のような動きをしながら、ブツブツ唱えている。
美香は、イヌになった僕の体を捕まえて一目散に走って逃げた。
『ガルルッ!』
『イテテっ、こらッ噛むな!このやろ!』
ビシッ!バシッ!
『み...美香....。』
僕も二人(?)の後を追って走った。
『昭夫さん!二足歩行禁止!ちゃんと四つ足で走って!
あんたはちゃんと2本の足で走りなさい!』
『ワンワン!』
道行く人はあっけにとられて僕らを眺めていた。
『一体どういうこと?』
あまり人目につかない小さな公園で三人は話し合った。
イヌも賢いみたいで、状況を理解しているようだ。
『さっき頭を打った時、
僕のマブイが外に飛び出して、それをこの犬が食べちゃたみたいなんだよ』
『どうすんのよ、も~。』
『ユタのおばぁの所に行ってみよう』
『急ぎましょう。』
僕んちの近所の、有名なユタのおばぁに、事情を説明した。
『早速マブイ込みしようね~』
イヌになった僕と、
僕になったイヌは、
おばぁの前に座り、目を閉じた。
おばぁは両手を合わせ、時折どこかの宗教の巡礼のような動きをしながら、ブツブツ唱えている。