故人通話プラン《1話》

Studio West

2010年08月22日 03:28

死んだ友人と
話す事のできる
ケータイ電話

要りませんか?

最初に4444

あとは生前使用されていた故人のケータイ番号。

にわかに信じがたい話だけど
僕は試しにやってみた。

((トゥルルル....))

どこかに繋がった。

なんと、
電話の相手は、二年前の夏に海の事故で亡くなった、大学同期の『T』だった。

信じられない.....。

事の始まりは.....



 《旧盆特別企画》

  短編ミステリー小説
  『故人通話プラン』
作/ポチ☆新一



僕の仕事は常備薬のセールス。

最近会社全体の売り上げが伸び悩み、
とにかく顧客を増やさなければ、成績いかんによっては、あてにしている年末のボーナスが減ってしまう。

自社のサンプルを持ち歩きながら、契約の取れそうな家を一戸一戸訪問していた。
今もまた、訪ねたお宅から門前払いに合い、
いい加減へこんでしまったところだ。

それにしても午後の日差しはこたえるな。
もう8月だし。

夏休み、今年は取れないんだろうな。

彼女ともしばらく合ってない。

フラフラと見通しの良い直線道路を横切った。
その時。


((ドォーン!!))


《2話へ続く》
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