故人通話プラン《1話》
死んだ友人と
話す事のできる
ケータイ電話
要りませんか?
最初に4444
あとは生前使用されていた故人のケータイ番号。
にわかに信じがたい話だけど
僕は試しにやってみた。
((トゥルルル....))
どこかに繋がった。
なんと、
電話の相手は、二年前の夏に海の事故で亡くなった、大学同期の『T』だった。
信じられない.....。
事の始まりは.....
《旧盆特別企画》
短編ミステリー小説
『故人通話プラン』
作/ポチ☆新一
僕の仕事は常備薬のセールス。
最近会社全体の売り上げが伸び悩み、
とにかく顧客を増やさなければ、成績いかんによっては、あてにしている年末のボーナスが減ってしまう。
自社のサンプルを持ち歩きながら、契約の取れそうな家を一戸一戸訪問していた。
今もまた、訪ねたお宅から門前払いに合い、
いい加減へこんでしまったところだ。
それにしても午後の日差しはこたえるな。
もう8月だし。
夏休み、今年は取れないんだろうな。
彼女ともしばらく合ってない。
フラフラと見通しの良い直線道路を横切った。
その時。
((ドォーン!!))
《2話へ続く》
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